高畑勲展 ─日本のアニメーションに遺したもの
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高畑勲さんの仕事のアーカイブ的な展覧会。
夏休みは人も多いだろうし…などと悠長に構えていたら、あっという間に会期も終了が迫っていたので、仕事を放り投げて先々週慌てて近代美術館へ。
言うても展覧会だし、客観的にフィルモグラフィーを俯瞰で眺めて「フンフンなるほど~」みたいな体験を想像していたのだが、それぞれの作品に高畑さんが込めてきた思いであるとか、表現と向き合うための闘いを作品の資料やメモを通してドバドバ浴びた結果、 思いの外感情を揺さぶられてしまう。
また高畑さんと共に作品を形にする為に挑戦してきた、宮崎駿さん小田部羊一さん奥山玲子さんだったり、近藤喜文さんだったりといった偉大な人達の仕事ぶりなどにもスポットライトが当てられており、そこでも画面の中に世界と思想を描く為、才能の塊みたいな人間達が無茶苦茶に格闘している様子が伝わってきて、頭をぶん殴られるような感覚だった。
そしてキャリアを通して築いてきた経験の蓄積や課題が、最後の「かぐや姫の物語」で結実し爆発する素晴らしさ。あの映画が完成し、人々が観る事が出来るのというのは、本当に人類にとっての財産なんじゃないかと思うし、 こうした偉大な仕事の歴史と蓄積の上の片隅に曲がりなりにも自分は立たせていただいているのだと思うと、もっと頑張らなくては行けないという気持ちに嫌でもなる。
なんというか…圧倒的な仕事の洪水みたいな展示だった。
マジで行ってよかった。